賑やかな色どりの布から生まれる、普段使いの小物たち
ハンカチやマスクなどのガーゼ生地製品、ラミネート生地のポーチやバッグなど、様々な種類の布小物を製作している作り手。オーダーも受けており、様々な作品を豊富な柄の生地から相談ができる。
CURRO
https://ameblo.jp/2018curro/
【作品が購入できる取扱先】
・まさざね館 (九戸村)
・ハンドメイド雑貨の委託販売店 chik chik (盛岡市)
・CURROズholiday(クロズホリデー) ※スケジュールはブログより
オーダー等の問合せは、ブログまたは取扱店を通して可
クロ
取材日 INTERVIEW 2018.10.31&11.27 ※施設情報、入荷状況や価格は取材時のものです。
作り手が主催する癒しの空間、CURROズholiday(クロズホリデー)
来て大丈夫だったかな、と取材スタッフ、かなりドキドキしながら、普通の公民館の一室に、そろりそろりとお邪魔した。その日は、ハンドメイド作家のCURROさんが主催するCURROズholiday(クロズホリデー)。
入ってすぐがCURROさんのコーナーだった。月に1~3回程度、二戸地域や八戸市など近隣地域で行われているイベント。
CURROさんのハンドメイド雑貨が購入できるほか、マッサージ、ネイル、リフレクソロジー、ハーバリウムやクラフト手づくり体験、占いなど、その時々でメニューは変わり、様々な体験ができる。
この日は真ん中にテーブルがあり、体験や施術の待ち時間にお茶を飲んで、のんびりできる場所。その周りに各ブースがあり、それぞれがお目当てのところだけを尋ねたり、いくつかブースを回ったりできる。要予約の施術や、時間が決まっているときは問合せをした方がよいそうだけれど、基本的には空いていれば、どのブースもお願いができる。知り合いがいないと緊張するかもしれないが、ブログで見ましたと、気軽に訪れてよいそうだ。
会場は毎回変わり、通りに面した場所の時は、地元のおばあちゃんたちが何してんの、とのぞくこともある。もともとは、自分自身がやりたい体験を、地域の友人でも興味がある人が多いけど、なかなか個別には行けない、という話に、じゃあ、日を決めて集まろう、というところから始まった。だから、本当にのんびり、ゆっくりとしていってほしい、というCURROさんの想いがある。
自分の好きな柄や材質の布を選んで、作ってもらえるのが魅力
この日は、CURROさんも布小物を中心に販売するほか、ミシンを持ちこみ、オーダーや修繕にも対応している。目を引くのは、山のように積まれた布の数。これがCURROさんの強み。「今日は、まだ少ない方なんですけどね。家には、まだまだあるので」。
年々、クラフト作家さんもクラフトイベントも増えている。けれど、自分の好きな色や柄で自分の好きな形で作られている作品に出合うのは、意外に簡単ではない。CURROさんのところは、CURROさんが集めた、たくさんの種類の布から選んでオーダーメイドで布小物を作ってもらうことが出来る。ミシンが持ち込めるイベントでは、その場でオーダーを受け、委託先のお店やブログ経由でオーダーをお願いされることもある。
自分のお気に入りを、すぐそばに置いていつでも気兼ねなく使ってほしい
CURROさん自身が、布への興味が強い。これは、と思った布は、まずストックをしておく。柄はもちろん、耐水性のあるラミネート生地や手触りのよいガーゼ生地。作る形は、ポーチやマスク、ネックウォーマー、ケースなど様々。柄の賑やかさはあるが、作り自体はシンプルなものが多い。
布の多さゆえに気をつけていることもある。洗えるかどうか、洗えても縮みはどうか、用途に合わせてオーダー時には、お客さんと相談をする。自分が好きで作り始めたもの、だから、下手をすると自分本位になりやすい、だから「お客さんが、わかりやすく使いやすいようにデザインする、作る」を意識する。自分のお気に入りを、すぐそばに置いていつでも気兼ねなく使ってほしい。
お気に入りを眺めておくんじゃなくて、使ってほしい。
オーダーなのでお客さんとの距離も近くなる、使った感想をいい点も悪い点も教えてくれて、自分を育てようとしてくれている。叱咤激励してくれて、今の自分がある。
もともと作ることは好きだった。子どもができると赤ちゃん着を探したが、村内ではなかなか買えるところも少ない。じゃあ、自分で作ろうと赤ちゃん用品を、自分の家族用に作り始めた。腕が上がり、友だちにも作ってプレゼントするようになったが、本格的になってきたある日、「これはプレゼントじゃ、もらえない!買うよ」と言われてしまった。次の日、村の商工会に登録し、まさざね館で委託販売を始めた。それから5年ほどになる。
リメイクや修繕のオーダーもある。子どもの赤ちゃん着を思い出に残したい、親類の形見の着物を何かにできないか。普段は30代~50代くらいのお客さんが多いが、リメイクや修繕だと、70代くらいの方のオーダーもある。「ものを大事に長く使う文化の残っている地域だから、というのもあると思います」。
服ではなく生地としてみると、リメイクも色々発想がわいてくる。とにかく、いろんなオーダーがやってくる。繁忙期は、贈り物が多くなる春先。
屋号には「あなた色のお手伝い屋」
「言えば何とかなるって思われてますよ」と笑うCURROさん。駆け込み寺みたいだね、と言われたことも。
冗談めかして言うけれど、想いは真摯で、それだけオーダーを受けてきたということでもある。これが欲しい、というお客さんの気持ちには、とことん向き合うし、他にお願いできる先がないと言われれば、可能な限り対応したいと思う。
お客さんが好みの生地を持ち込んで、相談にのることも。少ない生地でもなんとか工夫してみる。村のおじさんから祭りで使う手甲をお願いされたこともある。常連さんから、面白い布があったから買ってきちゃったけど、何かなるかな?と依頼されたことも。CURROズholiday(クロズホリデー) に、クラフトイベントへの出店に、オーダー対応に。
「…寝てらっしゃいます?」
「寝てます、寝てます」
自分にも出来ることと、出来ないことがある。
だから、出来るジャンルの中だったら引き受けたい。
自分が作ることで、人が喜ぶことが原動力。無理をして、体調を崩したこともあるから、今は調整をしているとのこと。自分にも出来ることと、出来ないことがある。出来ないことは、自分も人に手伝ってもらう。だから、出来るジャンルの中だったら引き受けたい。
苦労話も、面白かったエピソードも次から次へと明るく飛び出してくる。
でも、作ることに向き合う姿勢には、芯があって冷静さもある。
これからやりたいことは、1つは、技術のレベルアップ。
CURROさんは、ほとんど型紙を作らない。独学でやってきたオリジナリティがいい面もありつつ、少し複雑な構造のオーダーに対応するには、技術的に勉強をする必要がある場面も増えてきているという。
もう1つは、時間のコントロール。技術をあげる時間も確保しつつ、オーダーやイベントにも対応する。プレゼント需要でオーダーが殺到する3~5月は、オーダーをかなり待ってもらうこともある。家族との時間もある。
でもお客さんの要望には対応したい、そこをどう調整するか。
オーダーが得意なCURROさん、まずは、取扱店やイベントで作品を手に取ることをおすすめ。CURROズholiday(クロズホリデー)やイベントへの出店は、ブログやインスタグラムからチェックができる。
オーダーはブログからまず連絡するか、イベントでも気軽に相談に乗ってもらえるとのこと。
まさざね館などから繋いでもえることもあるそう。
布選びから、何ができるか世界の広がる作り手さん。
取材日 INTERVIEW 2018.10.31&11.27 ※施設情報、入荷状況や価格は取材時のものです。