こだわりぬいた蕎麦づくりの木工品
建具製作の他、のし棒やこね鉢など素材からこだわった手打ちそばの道具や貴重な黒柿を用いた木工品などを製作する工房。オーダーも受けつけており、要事前連絡で製品の見学購入が可能。
福田木工所
軽米町大字晴山20-109-4
0195-47-2139
9:00-17:00 (日曜休み)
http://fukudamokkohsyo.com/
P
フクダモッコウショ
取材日 INTERVIEW 2018.11.29 ※施設情報、入荷状況や価格は取材時のものです。
![fukuda01 (1280x834).jpg](https://static.wixstatic.com/media/9c5a94_646b858f81514143895bcef4d015e5b4~mv2.jpg/v1/fill/w_700,h_456,al_c,q_80,usm_0.66_1.00_0.01,enc_auto/fukuda01%20(1280x834).jpg)
こだわりのそば打ち道具、建具、家具、木工品など幅広くオーダーを受ける
軽米町に工房のある福田木工所さん。基本的に、オーダーを受けて制作される工房さんだが、隣接する展示室には、手打ちそばの道具などが並び、見学・購入することもできる。ご不在の場合もあるため、事前に電話などでの連絡が必要だが、力を入れるそば打ちの道具をはじめ、今までに制作された作品の一部も並ぶ。オーダーメードでも、展示品を見ながら相談が可能だ。
もとは、建具がご専門。もちろん、今もオーダーがあると、格子戸や障子、家具などを制作される。展示室にも、見上げるような一枚板の木材が飾られている。
そば打ちのこね鉢。
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そば切り包丁。
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![fukuda04 (1280x854).jpg](https://static.wixstatic.com/media/9c5a94_22921e8f4eb64bb29bc97fd4d88e138d~mv2.jpg/v1/fill/w_126,h_84,al_c,q_80,usm_0.66_1.00_0.01,blur_2,enc_auto/fukuda04%20(1280x854).jpg)
のし棒。木の種類が異なるものが様々。
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貴重な「黒柿」でつくられた印鑑や箸。黒柿は、柿の古木の中で、稀に中心部が墨で描いたように黒い文様が入るもののこと。
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今までに制作された作品の一部も並ぶ。
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![fukuda09 (1280x854).jpg](https://static.wixstatic.com/media/9c5a94_059e1721318248a99840c016e4953bc3~mv2.jpg/v1/fill/w_126,h_84,al_c,q_80,usm_0.66_1.00_0.01,blur_2,enc_auto/fukuda09%20(1280x854).jpg)
![fukuda9.6 (1280x840).jpg](https://static.wixstatic.com/media/9c5a94_0be83489ef414ec385d3f2b675fe0d38~mv2.jpg/v1/fill/w_126,h_82,al_c,q_80,usm_0.66_1.00_0.01,blur_2,enc_auto/fukuda9_6%20(1280x840).jpg)
後日、お伺いした際には、様々なデザインのボールペンが作品に加わっていた。木材そのものの模様や色合いで、様々なデザインが生まれる。その多様さに驚くばかり。書き心地もよく、贈り物にも使える、こだわりのボールペンだ。
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薪ストーブや工房の機械を開発するなど、工房内には福田さんの技術が溢れる
お邪魔した工房の中を静かに暖めてくれていた薪ストーブ。なんと、これも福田さんが岩手県工業技術センターと共同開発されたもの。その他、工房内には福田さんが独自に開発されたという機械もある。
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工房の中は広く、様々な木材や道具が並ぶ。
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数十種類の木材サンプル。
「まだまだ、あるんですよ」。オーダーを受けた内容によって、適した木材を選ぶそう。
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工房内に並ぶ鉋(かんな)。名工の鉋や鉋の技術を競う会などにも出会ったことで、福田さんご自身が鉋の技術を磨いているところなのだそう。展示室には、びっくりするほど、薄い鉋屑があった。
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建具、組子と15歳からずっと木工に携わってきた
取材を受けて下さった、木工所を営む福田武(たけし)さん。15歳から、ずっと木工の仕事に携わってこられた。勤めた工房では、建具の仕事が主だったそうだが、組子などの細かい作業に興味を持ち、そういった仕事もしていた。見習いの頃から、職場で普段はやらせてもらえないような仕事や、やらない仕事も、興味があれば、専用の道具を自費で買い求めたという。「やりたいし、好きだったから。給料を全部つぎ込んで、大変でした」と笑う福田さんだが、それがどんどん仕事や技術の幅を広げた。
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やがて独立し、現在の福田木工所を設立したのは、平成5年頃。忙しかった建具の注文が、地域全体で減っていき、そば打ちの道具なども作るようになった。
お客さんのオーダーから始まったそば打ちの道具制作
とはいえ、展示室にも様々に並ぶ、そば打ちの道具。実は意外にも、最初から力を入れて、作っていたものではないそうだ。偶然、そば好きのお客さんからオーダーが入り、作り始めたが、「道具ですから、やっぱりピンキリあるでしょ。(最初に作ってみたものは)精度がよくなかったんですよ。それで、限りなくいいもの作ろうと思って、作っていったら、キリがなくて」と福田さんは苦笑する。「作ったことのないものを作るから、一生懸命で真剣になる。作ったことがないから、思いっきり作る」。今では、そば打ちの過程そのものにも話が尽きないほど詳しくなった。最初に作った道具のご縁で、そばのお店を出す方に、こね鉢を納品したことや、そば打ちのイベントに出店したこともある。
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独学で学びながら、薪ストーブの開発、工房の機械など技術向上に余念がない
その他にも木工品を様々制作されるが、ろくろを使う技術など、建具以外の作品については、ほぼ独学で学んだという。何を作るにしても「まだまだ上があるから」と、とにかく技術の向上に余念がない。もちろん、いい木材を使い、いいものを作ろうとすれば値もあがる。「予算もある中で、作品の精度をあげていくには簡単じゃない」。それでも、技術を語る福田さんの熱意はすごい。「凝り性ですから」。
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木材を加工する機械もそう。自分がこうしたい、と思うものがあれば、機械にも手を入れる。自分で独自に作り上げた、木材を加工する機械も工房にはあった。思わず、発明家、という言葉が頭に浮かぶ。
福田さんが特許を取った薪ストーブ。寒さの厳しい岩手の県北で、薪ストーブは、冬の必需品。「大きい木材も、小さい屑も全て燃やしてもらえるストーブが欲しかった。完全燃焼してくれて、ダイオキシンの出ないストーブ。それで、試行錯誤していくうちに閃いた」。今は、メーカーで製造がされており、様々な場所で使われている。
![fukuda21 (1280x854).jpg](https://static.wixstatic.com/media/9c5a94_3fefd1613f5f40d1b3ebfde0374dfba1~mv2.jpg/v1/fill/w_126,h_84,al_c,q_80,usm_0.66_1.00_0.01,blur_2,enc_auto/fukuda21%20(1280x854).jpg)
木材でできることであれば、まずはご相談ができる
福田さんの仕事の幅は広い。建具から、木工品まで。オーダーメイドのため、個人のお客さんに納品することもあれば、大きな制作物や建物の一部になるようなものを業者さんから頼まれて制作することもある。技術的な提案をすることも。機械にもお詳しいが、手仕事の方が早く、正確な場合は、手で加工を加えることもある。「よそでできないって言われると、張り切っちゃうんですよね」。お話を聞いていると、本当にオーダーは様々だ。今後は、レーザー加工なども検討しているという。
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使う木材は、基本的に近隣地域や岩手の県産材。「やっぱり、地産地消がいいと思って。地元のものをめいっぱい努力して作るのが、一番よそに勝てるものかなと思う。木材もその土地土地で全然違うので」。塗装の技術も持つ福田さんだが、「木材はいいですよ。傷ついたら、塗り直しすると、また味があります」。
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「楽しいです。木の世界は」と、素人の取材スタッフにもいろいろな話をしてくださった福田さん。
興味を持ってお伺いすれば、きっといろいろなご相談ができるはず。是非、とっておきのものを作るために、訪れてみては。
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![fukuda16 (1280x854).jpg](https://static.wixstatic.com/media/9c5a94_69404785e66c4769b47214f2893b0df9~mv2.jpg/v1/fill/w_126,h_84,al_c,q_80,usm_0.66_1.00_0.01,blur_2,enc_auto/fukuda16%20(1280x854).jpg)
取材日 INTERVIEW 2018.11.29 ※施設情報、入荷状況や価格は取材時のものです。