みんなが集まる茶屋っこに行こう、開こう

民家を改装したスペース。月に一度、郷土食や「てんぽ」が食べられたり、クラフト雑貨ブースも出る茶屋が開かれる。普段は、集まりや会議、イベントなど誰でもやりたいことを形にできる貸出スペース(有料)にもなる。台所あり。
佐太郎茶屋
二戸市金田一字野月144 -1   0195-27-4497(嶋野)
茶屋は月1回(不定期)
貸出料金やスケジュールは要問合せ

サタロウチャヤ

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取材日 INTERVIEW 2018.11.18 ※施設情報、入荷状況や価格は取材時のものです

月に一度、おやつの「てんぽ」や地元食材・郷土食のランチが食べられる茶屋っこ

二戸市の金田一地区。座敷童のいる温泉郷としても有名な地域で、金田一温泉駅から、てくてく歩いて20分ほど。月に一度程、茶屋として賑わう民家がある。「佐太郎茶屋」さんだ。民家を改装した建物で、普段は地域の集まりやイベントに使用されるレンタルスペースだが、不定期で月に一度程、一般の方も自由に訪れることのできる茶屋として開放されている。

取材に伺ったのは、その茶屋の日。

 

茶屋の前には、郷土のおやつ「てんぽ」や特製がんもどき、この日はパンも販売され、地域の人が、ひっきりなしに訪れていた。「てんぽ」は小麦粉を練った生地を煎餅の型で焼いたもの。生地が煎餅等よりも厚く、もちもちとした食感で、ちょっと塩っ気もきいた昔ながらのおやつだ。テント内で焼かれた、できたてが食べられる。ふわふわのがんもどきも人気があり、どちらも日によっては早々に売り切れてしまう。

メニューは日々、進化中。丁寧な準備で、だしも野菜も揚げ物も美味しく、満足。

中に入ると、台所では地域の女性たちが、慌ただしくランチを提供中だった。取材を引き受けて下さった、茶屋を運営する「よりゃんせ金田一」の久保田さんと嶋野さんもお忙しく立ち回る。


地元食材を使った料理や郷土料理を食べることのできるランチだ。数量限定だが、その月によって、メニューは替わり、手頃な価格で郷土食が食べられると、この日を楽しみにしている人も多い。

この日のメニューは、「てんぽ汁定食」。せんべい汁は有名で、てんぽ汁も昔からあるのかと思いきや、ここで新しく開発したメニュー。好評だったため、前月から引き続き、メニューにしたという。単品で販売しているてんぽとは違い、汁に入れても溶けないように、ちょっとレシピを変えて焼いている。「だしも半端ないですよ」と嶋野さん。麺類を出すこともあるが、「だし」が美味しいと好評なのだそうだ。「来てもらった人には、しっかり満足してもらいたい」と、野菜はできるだけ採りたてのものを使い、揚げ物はオーダーが入ってから揚げる。レシピは久保田さんが中心に考えられているそう。ケーキセットなどのスイーツがあることも。細やかな心配りが、人気を支えている。

少し戻って、玄関付近では、クラフトマーケットが開催中。お洒落な雑貨が、所狭しと並ぶ。

外も中も、賑やか。いろんな人が出入りして、もちろん知らないお客さんばかりなのに、何だか親戚の家にお邪魔しているような感覚になるのが不思議。

茶屋の日にたつ旗を目印に地域の人たちが集まってくる。「本当に有難いですね」とお二人とも声を揃えた。駅から遠くはないが、普段は人通りのあまりない地域。お客さんが来てくれる理由は、地域の人も集まる場所が欲しかったのでは、という。「地域の方も賑わいがあって嬉しいのもあるかもしれませんね」。ご年配の方から、クラフト雑貨を見に、若い方も訪れる。

レンタルスペースとして貸し出しているのは、台所と居間と玄関付近のスペース。家の前も敷地内であれば、使用OK。台所用具や食器なども一通りそろっている。机なども相談次第で融通をきかせてくれるそうだ。手頃な金額からレンタルが可能なので、ご希望の場合はお気軽にご相談を。

昔ながらのおやつや餅づくり講習など、地域の知恵が、若い世代へ伝わっていく場所へ

少し落ち着き始めた頃に、久保田さんと嶋野さんにお話を伺った。地域活動グループ「よりゃんせ金田一」さんが、佐太郎茶屋をオープンしたのは、2017年。


空いていた民家を、地域の人で集まったり、地域の人が何かやりたいことを自由にできたら、と改装し、レンタルスペースとして管理を始めた。改装といっても、各部屋のつくりなどは、ほぼ何もせず、台所等の水回りに手を加えたのみだそうだ。全体を改装されたのかと思う程、立派できれいな家なので、驚いた。

今は主に、地域の集まりやクラフトイベント等に利用されている。「まだまだ宣伝が下手で」と言われるものの、よりゃんせ金田一さんでも、茶屋以外に小規模ながら、餅づくりや郷土菓子のきんかもち作り、菓子作りの講習会などを開催しているそう。昔からあるお菓子や餅の作り方、ちょっとした料理のコツなど、地域のおばあちゃんたちにとっては特別ではない、ささやかな日常が、ここではイベントになる。「ここで教わるのがいいというか。地域のおばあちゃんから私たちへ伝わる方法も、今はあまりないじゃないですか。それを改めてここで覚える。だから好評なんでしょうね」と嶋野さんは話す。


茶屋が多数へオープンなのに対して、料理の講習会は、開催人数も多すぎず、少なすぎず。参加者一人一人が満足してもらえるような人数にあえて、とどめている。宣伝は市の広報紙や口コミなどが主。参加者さんの満足度は高い。「普段一人で暮らしていると、話すこともないから楽しい、っていう方もいて、ああ、そういうのもいいんだなぁと思って」。

狐物語の紙芝居、奥州街道のガイドや整備、体験教室など、数多くの活動

「よりゃんせ金田一」は、もともと奥州街道を歩くツアーや観音様を巡るイベント、民話や郷土料理、郷土の手仕事を伝える体験教室やイベントを頻繁に開催されており、10年以上活動を続ける団体さんだ。


「にのへ狐物語」という昔語りを、紙芝居で発表したのがきっかけで、金田一地区に発足した。様々な狐の物語が詰まった紙芝居で、貸し出しもされている。どなたでもどうぞ、ということで、毎年恒例、敬老会などに使うからと借りていく方もいるそうだ。
奥州街道のガイドやルートとなる道の草の刈払い等をはじめたのも、よりゃんせ金田一さん。今は、道の刈払いは地域の方と協力しながら、看板の整備なども行っているという。春には、3つの観音様を巡る「三観音巡り」も開催。どちらも地域外からも人が集まり、年々参加者の増える人気のイベントだ。

食や地域文化にまつわるイベントも茶屋が初めてではない。茶屋を始める前から、布草履を編んだり、箒作りの手づくり体験や郷土食の講座などを地域の公民館で行い、外国人観光客の地域文化体験に協力することもある。地域のイベントでは「てんぽ」などを販売していた。今もそれは続いていて、イベントで食べて美味しかったからと「てんぽ」目当てに茶屋に来る方も多い。

とにかく、ものすごい活動の数。これだけいろいろな活動をされていると反響も大きいのでは、と伺うと「大きいね」とお二人の声が綺麗に揃った。「おかげさまで」「怖いくらい」とお二人は笑う。「皆さんに声かけてもらうようになりましたね」。
お二人の口からは、皆のおかげで、いう言葉が、ひっきりなしに出てくる。

活動にはたくさんの人が関わり、人づきあいも広がっていく

もちろん、普段はメンバーの方も、それぞれの仕事や家の仕事がある中での、忙しい日々。この茶屋の日も、午前中は公民館の餃子づくり講習会のお手伝いを同時並行でされていた。


地域のイベントへの参加も多い。活動の幅が広いお二人に、てっきり以前から活動的で人脈も広かったのでは、とお伺いすると、会長を務める久保田さんは、意外にも「外に勤めてると朝、仕事に行って、夜しか帰ってこないじゃないですか」と首をふった。「活動を始めてから、皆さんに声かけてもらうようになりましたね。ちょっと離れた集落の人とかはあまり顔がわからなかったんだけど、人付き合いの範囲が広がりました。それはすごくよかった」。嶋野さんは、ご自宅でお仕事をされている関係もあり、顔が広い。「もういろんなことね、企画するんですよ」と久保田さんが、笑って嶋野さんを振り返る。講習会の先生は、久保田さんや嶋野さんが知人や地域の中で見つけて、お願いをすることが多いそうだ。

取材日にも、よりゃんせ金田一のメンバーや地域のお手伝いの方が、忙しく動かれていた。茶屋のランチはほぼ女性が担当、「てんぽ」焼きは、力仕事もあって男性が準備から片付けまで担当されている。「すごく、助かってます。皆さんが買いに来てくれるのもあって、楽しいんじゃないですか、きっと」。女性、男性どちらもスタッフとしていらっしゃるので、いろんな人が来やすくなる。ご近所の方も、駐車場スペースを貸していただいたりと、地域の方も協力してくださる。「本当に皆さんに協力してやってもらってます、本当にね」と久保田さんも言う。

今後も予定は盛りだくさん。

 

レンタルスペースとしても、いろいろな人に使って欲しい。「皆さんに使っていただいて、シェアしてもらえるといいなと思います」と嶋野さん。地域に子どもが少なくなってしまったけれど、茶屋には、もう少し子どもにも来てもらえるといい、と考えてもいらっしゃる。毎年、恒例となっているイベントにも、力を入れていく。

 

忙しい中でも淡々と、でも力強く。フットワークの軽さには驚くばかりで、本当はこの日が年内の茶屋の最後、と伺っていたが、終わる頃にはもう一度、予定が追加されていた。

昔ながらの料理やレシピ、生活の知恵。それを学べる、肌で感じることのできる場所。その頃の暮らしや賑わいまで感じることのできる場所。

 

茶屋に行ってみても、自分で1日マルシェを開いてもいい。ちょっとしたお茶会に使っても。地元の方でも、ちょっと観光に来た方でも。初めて行くはずなのに、きっとなんだか懐かしく感じるはず。

取材日 INTERVIEW 2018.11.18 ※施設情報、入荷状況や価格は取材時のものです

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